ご両家への挨拶を済ませて、結婚式場の見学に行く方が最も多いのは、お盆とお正月休みの後と言われています。
そのタイミングに合わせて、いつもより規模の大きなブライダルフェアもたくさん開催されるので、既に予約をしている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
最近、かなり強引に「即決」=その場での契約を迫る接客が増えているそうで、同じ結婚式に携わっている私たちとしては悲しい限り。
即決で後悔してしまうことを避けるための知識と提案を書いておきたいと思います。
そもそも「式場を決める」とはどういうことか
その式場を特定の日に使用する権利を得て、その対価を支払う契約をするということです。
契約が成立した後は、最低でも内金分を支払ことになり、規約に定めた時期になればキャンセル料もかかります。
「即決」って何?
私たちは、見学してその日に決定していただくことを「即決」と読んでいます。
これは業界用語であって、お客さまに対して使うことはありませんが、その場ですぐに決めたら「即決」です。
結婚式は数百万円を費やすことも多いイベントなので、複数の式場を見学し、比較して1つに決めるカップルが大多数です。
もし候補の式場全てを1日の内に見学できたとしても、それぞれを比較して結論を出すには時間が必要ですから、 ふたりで話し合って、後日式場に結果を返答することになるのが一般的です。
その場ですぐに決めなくても希望の日時を確保できるように「仮予約」という制度があります。
お客さまが比較検討をする間、他のお客さまとの契約を行わずに日時・会場を取り置いておくことで、 多くの式場がこの仮予約のシステムを設けて、対応しています。
とはいえ、そう長くキープしてしまうと他のお客さまに不公平になりますので、1週間という規定にしている式場がほとんどです。
ウェディング・プランナーもある側面では営業職。
その立場から言うと、お客さまにその場で決定していただくのはとてもありがたいことです。
しかし、嬉しい反面、考える時間もろくに取らずに、本当にウチに決めちゃっていいの?という怖さも同時に感じます。
いい即決、わるい即決
お客さまが真に納得していれば、表情や言葉に納得感がにじみ出ますから、こちらも安心して契約の手続きに進めます。
そもそも、その確証を得るために、どのお客さまに対してもどこかのタイミングで「正式にご決定でよろしいですか?」とお聞きして、意思確認をするのが普通です。
契約に必要な情報まできちんとお客さまに伝わって、信頼関係もできた上での即決なら「いい即決」ですね。
というふうに、いい即決もあるのですが、わざわざ即決する必要もないというのが私たちの考え。
特に、他にも見たい式場があるのに、わざわざそこを見ないで即決する必要はないですよね。
ただし、何を置いてもここでやろう!と決めている式場があるという場合は別です。
また、ここなら間違いなくいい結婚式ができるという確信をもっているなら、早く式場を決定するのはいいことです。
さて、「わるい即決」というのは、お客さまが納得していないのにゴリ押しのような形で契約に進めたものや、 大切な情報をきちんと出していない(悪質な場合は隠している)とか、契約時の説明(特にお金の説明)をきちんとしていない状態での即決です。
わるい即決をしている式場の中には、帰りたいのに返してもらえない、軟禁のような状況で接客を続けるようなケースもあります。
近くのATMの場所を示してまで、その場で内金のお支払いをさせるような式場も。
残念ながら、スクールの生徒やコンサルティング先のスタッフが実際に経験していることなので、誇張しているわけではないんです。
わるい即決をしている式場は、
今日決めたら大幅値引きします!
とか、
希望している日程が埋まってしまいますよ
というセールストークをするところが多いです。
でも、そんな目先の損得に惑わされないで!
もし大幅値引きされたとしても、検討のベースとなる見積もりが穴だらけであれば後からたくさんの追加アイテムが出ることになるので、最終的には必ず金額が上がります。
日程についても、希望日がいっぱいになった場合は他の式場ではダメなのか?と一旦考えた上で決めるべきだと思います。
自分たちが希望しているウェディングが、場所ありきで決めるべきものかどうか……そうでなければ即決する必要はないでしょう。
ちなみに、終わりの時間が見えないくらい、ずるずると接客時間を引き延ばす式場は、スタッフ力の面でおすすめしません。
お金を下ろしてきてください、という式場は言うに及ばす(もちろんダメ)です。
とはいえ、そういう接客をする式場にも(こそ?)素敵なところがたくさんあるんですよね。
でも、そんな接客をする式場こそ、契約する前にクールダウンして考える時間を取るべき!
後で失敗した!と思っても、一旦契約してしまったらキャンセルするにも多くのお金がかかるのですから……。
私たちが会場リサーチのサポートで見学同行をする場合にも、ボルテージが上がったおふたりに待った!をかけて、クールダウンしていただくことがよくあります。
必要なアイテムを入れて見積を作ってもらえないケースも時折あるので、私たちが式場の見積をベースに条件を揃えた見積を作成するのも基本の作業。
式場によってできること、できないことが異なるので、それぞれの特性をつかんで比較することが必要になりますから、その日のうちに比較検討して結論を出すなんてかなり無茶なことなんですよね。
式場決定は納得感が最重要! じっくり考えてから決めても遅くはありません。
サービス、商品、設備、予算などの諸条件が希望に合っているのか?
それをしっかり考えて、真に納得した状態で決定しましょうね。
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